ココロを作るのココロ

書けん書けんと言ってた科研費申請書もどうにかこうにか完成.今回は2本申請.

ひとつは知能ロボティクスがらみ.なんとか「こころをつくる」という話に持ち込みたい.「こころを持つ機械」は鉄腕アトム以来の人類の願い......だからではなく,「こころとは何か」を本当に知るには,「こころをつくってみる」しかないと思うからなのだ.脳の外側から「こころってなに?」って調べても,なかなか限界がある.脳の内側からそあれこれ調べても,どこにこころがあるのかよくわからない.

哲学的な議論は一切排除する.人間レベルの「こころ」もひとまず忘れる.そして「システムが×××という機能を持っているとき,そのシステムは<ココロを持っている>」という定義を作る.つまり工学的なこころの再定義.ここで言うココロは,心理学で言うこころと同じである必要はまったくない.むしろ積極的に「別のもの」と言うべきだろう(もちろんココロのボスとも別のもの).大事なことは「工学的に見て達成できたかどうかの客観的判定が可能な定義」であること.そして,ひとまずその定義を満たすシステムはどうすれば開発できるかを考え,中間目標を設定する.もちろんそんなことは科研費申請書には書かない.書いたのは第一中間目標の方だけ.
ともあれ,ウェットな面も哲学的な面も一切排除して,「だって普通に動作するにはこういう機能がないとダメじゃん」みたいな話に持ち込みたい.ま,お掃除ロボットルンバ君が「今日はあっちとこっちの部屋からお掃除しようかな~♪」と思ってくれるかどうか,みたいな話にね.そんな定義と判定基準を作る必要があるよなって段階.定義・判定基準がちゃんとできたわけではない......のだけど,だいたいの方向性は見えてきている.でも現段階で「これがココロの定義!」と言うのは早すぎ.その前段階の話をきちんと詰めたい.どこまでできるかとか,この方向性でいいかとか,実際にやってみた上で.そんな前段階の話を申請書に書いた.