驚異的??

G君が<暫定的に>出してきた結果によると,たった5人の手書き文字(数字)で学習した後,1万人の手書き数字で認識テストをしたら,識別率が90%に達するかもしれないという.まだまだ検証の余地はたくさんあるので,実際の識別率がどれくらいになるかは今後の結果待ちだが,あながち悪くなさそうな学習状況である.こういう場合はことさら慎重に評価する必要があるが,結果がとても楽しみだ.

もっとも,やり方や判断基準によっては90%を高い数字と言えないと思うので,G君の出した識別率が高いのか低いのかの判断は必ずしも自明ではない.ともあれ,「ニューラルネットにぶちこむだけのアルゴリズム一発!の素朴なやり方にしては高い識別率」という言い方にしておこう,ここは.

ここで目指すのは,単に高い識別率を出すことよりもむしろ,脳的な,つまり「いかにも脳がやりそうな」アルゴリズムで,自然なデータ表現を自己組織的に獲得すること(脳が実際にそうしているかどうかは問題としない).いかにもわざとらしいガリガリの作りこみは排除するが,階層的なデータ表現や局所的な高次情報の活用は積極的に取り入れる,という戦略.