地球温暖化

地球温暖化の話に戻ると,ちょうど今読んでいるのが「地球温暖化の予測は『正しい』か?」という本.とかく,温暖化してる,していない,二酸化炭素のせいだ,いや違うと言われている中で,「どこまでの確からしさで言えるのか」をわかりやすく説いたこの本はとても貴重.科学者としての誠実さというのは,こういうことを言うのだろうな.

現実のほとんどの問題は,「正しい」と「正しくない」という2値のどちらでもなく,かといって「わからない」でもなく,ある一定の幅を持った選択肢の中に入っている.それも単に入っているだけでなく,一定の確率(これは数学の古典的確率ではないゾ)が伴っている.確率という言葉に語弊があるのならば,一定の確信度と言ってよい.とかく,2値のどちらか端的な結論を求める世の中で,そのどちらでもなく,わからないでもないということを誠実に説明することは,専門家の使命と言っても良いだろう.

下のブログで,マスコミ云々と書いたけれども,はっきり言えば「自分で変えられないもののせいにして,グチっていい気持ちになっているだけ」ということだろう.大事なのは,「自分で変えられるものの中で,変えていく行動を取ること」なのだ,本当はね.そして,大学で研究者をやっているということは,実はそれ相応の力と責任を持っているということなのだ.

......とえらくむずかしい話になったので,この話はまた形を変えてしようかな.そうそう,ただの「子育て真っ最中の親」という立場も,未来の人材を育てる大事な役目があるわけで,一家を連れてロケット打ち上げの見物に種子島まで行くって言うことは,大事な使命を果たしているのだぞ!と声を大にして言いたい......(と,平日仕事をサボって種子島まで行った言い訳にしておこう(笑)).