バースデーサークル

授業参観のつづき.小2の息子の授業では,まず「4月から3月まで,誕生日順に並んだ輪を作ろう」という,体を動かすゲームで開始.親も一緒になってのゲームでした.

このゲーム,ルールがひとつあって,「一切声を出さない」. だからコミュニケーションは身振り手振りだけ.必然的に1対1のコミュニケーションになり,「8月生まれはここだよ!」なんて呼びかけることもできない.それでも時間内に間違いなく輪ができたからおもしろい!局所的なやりとりだけで,ちゃんと輪ができるんですね.いやあ,自己組織化だなあ,なんて思ったりもしました.

実は以前より,出前授業なんかで使える,「自己組織化ゲーム」って作れないかなあと,あれこれ考えていたのでした.SOMのアルゴリズムに忠実にしようとすると,なかなかゲームっぽくならないので,どうしたものかなあと考えあぐねていました.今回のは,そのままでは使えないけれど,いい線をいっているかなと.もう少し工夫してみようかな.

ところで授業参観に戻って.何の授業だったかと言うと,「耳の不自由な人について考えてみよう」という話.不便である,不自由であるということは,その人を取り巻く物理的環境に依存し,工夫次第では不自由を(ある程度は)減らせる.幸福か不幸かは,その人を取り巻く人々という環境に依存し,不便かどうかとは実は独立成分である......ということを,いかにリクツではなく実感として伝えるかというチャレンジングな授業でした(われながら,こうしてコトバで書くと,たちまちリクツに落ちて嘘になりますな.授業では,こうしたリクツは抜きで,しかし情にも落ちず,いかに伝えていくかに焦点が当てられていたわけだけど).

バースデーサークルのゲーム,たしかにコミュニケーション取るのが不便だったけど,子どもも大人も一緒になってとても楽しかったよ.これがすべてかもしれないね.