5年間は「半昔」?

K君の学位論文は,副査の先生から思いがけない視点でのアドバイスにより,ドラスティックに変化しています.いろいろ思い悩むところも多かったのですが(本人はもちろん,指導教員の私も,です),これで一気に良い方向へ向かうのではないかと期待しています.岡目八目と言うけれど,行き詰ったときは当事者以外からの視点が大事ですね.

K君にとっての5年間は,f-Labにとっての5年間でもありました.K君が入学したのと,f-Labができたのはまったく同時(つまり,私が助教授として採用されたのも同時......それまでは助手でしたので).私がPIになって初めて受け持ったのがK君だったわけです.いわばK君は,このラボとともに成長してきたわけです.またこの5年間は,mnSOMやSOM^nを苦労して作り上げ,世の中に送り出していきましたので,mnSOMやSOM^nにとっても大事な月日でした.そういう意味で,K君は,論文にならないさまざまな苦労や工夫のプロセスをいっしょに味わい,見てきました.

今回の副査からのアドバイスは,博士後期課程の3年だけでなく,前期も含めた5年間全体を通したストーリーとして再構築してはどうかと言うもので,つまり,f-Labが歩んできた5年間の縮図を学位論文にまとめてはどうかという提案でした.

K君以外には世の中の誰にも書けない学位論文になるのではないかと,楽しみにしています.

P.S. 「先生,あまりプレッシャーかけないで下さい!」って声が聞こえそうですが「前のめり」でいきましょうよ.なーに大丈夫,大丈夫です.「すべてのポイントは自分のエースで取りにいく!」のですよね!?