月に水が見つからなかった

かぐやが月の南極を調べたが水が見つからなかったそうで,少し残念.可能性は低いと言われていけれど,ちょっと期待していたのだ.野尻抱介さんのSF「私を月につきあって」ではこれがテーマだったんですけどね.このシリーズ,ライトノベルに分類されるのでしょうが,宇宙開発の現場感覚が伝わるいい作品です.JAXAの友人も,何年もかかってプロジェクトを積み上げていく大変さとか,ときにはそれががまったくゼロになってしまう話をしてくれましたが,ああいう感覚です.

同じく野尻抱介さんの「沈黙のフライバイ」(こっちは本格的なSF)はすごい.ここで出てくる「サーモン・エッグ・プロジェクト」では「大型の探査機を打ち上げる代わりに,低コストの小型探査機を山ほど打ち上げる」という発想が出てきます.これは生物にとっては非常に普通の戦略.しかも多数の低コストセンサ群を用意することで,高性能センサ1個を上回る性能をたたき出そうという発想も,いかにも生物的(神経系がまさにそう).

f-Labで(それが無理なら専攻全体で)月面自律探査ロボットを作る計画は,できないものかなあ!