西日本新聞の九工大広告

9/10(金)の西日本新聞掲載の九工大の広告に私のことが載るらしい. 事務方から依頼があったのが夏休み前で,そのときはなんとかなるかと承諾したのだが,そのあとだんだんと,何をどう話していいかわからなくなって,正直,他の先生に代わってもらおうと何度も思った.いや思っただけでなく,実際に事務に申し出たりしたのだが,やはり一度決まったものを帰るのは難しい.

原稿は私ではなく,ライターさんが書く.ライターさんのインタビュー直前は,もう逃げ出したくなる気持ちだった.それでもインタビューが始まれば,なんとか話ができるものである.というか,そんなインタビュイーからでも上手に話を引き出すライターさんはさすがだ(あ,インタビュイーって,インタビューされる人のことね.インタビュアーの反対語).でもインタビューが終わって,ライターさんも「これどうやって原稿にしましょうかねえ!?」って頭抱えてしまった.

ライターさんから送られてきた原稿は,素人が読んでもわからないような内容だった.これはけっしてライターさんが悪いのではない.むしろ,あんな短時間のインタビューでよくここまで理解したものだと思う(理工系の基礎学力を持っているはずの学生よりも理解が早いというのは,ライターさんがさすがというべきか,それとも学生に頑張れというべきか.たぶん両方か?).そもそも話の内容が,こんな短い文章で誰にでもわかるように書くということ自体が無理な話なのだ.

そこで私が自分で書き直すことに決心したのだが,やっぱり逃げ出したくなる.もう新聞社からゲラ刷りまで送られてきているのに,ドタキャンで逃げたくなった.それでもなんとかこらえて書いたのがこの広告原稿.できあがってみると,まあまあかなとも思う.やっぱり逃げずに書いてよかった......のかな.

今回,原稿を書くに際して,2つのことに気をつけた.ひとつは「ロボット」という単語を極力書かないこと.もうひとつは,「知的アルゴリズム開発」ではなく,「知能の原理発見」もしくは「原理追求」という書き方をすること.私は,人間が「知能を開発する」なんて思い上がりも甚だしいとふだんから思っていて,世の中にすでに存在しているものを,自分がたまたま発見した,そんな風に思っている.だから,なるべくそのニュアンスを出そうとした.だから他の先生方と記事の雰囲気がずいぶん違ってしまったことだろう.少なくとも「九工大の最先端技術はすごいんです!」という,本来の広告の趣旨からは違うものになった.もし本来の趣旨に沿って書けと言われたら,私は間違いなく辞退して逃げ出したことだろう.

この広告の原稿は,そのままHPに使いますので,そのうちみなさんも読めると思います.