アンティキテラの機械

本を購入してからしばらく読む時間がなかった「アンティキテラ 古代ギリシアのコンピュータ」を読了.紀元前にこれほどの技術があったことも驚きで,またその解明のプロセスも驚き.研究室の本棚に寄贈しておきます.日経サイエンス2010年3月号(こちらも研究室にあるよ)も併せて読むといいかも.Wikipediaのアンティキテラの機械についても参照. まあともかく,紀元前の昔にこんな機械が(もう間違いなくコンピュータレベル)あったものだと驚くばかりです.

少し書評っぽく.アンティキテラ機械のすごさは,機械それ自体が持つインパクトという側面,科学技術史という側面,そして解明プロセスとその人間ドラマという側面があると思う.この本は,ドキュメンタリーということで最後の側面,つまり解明プロセスという人間ドラマに焦点が当てられている.したがってメカニズム的な説明はほとんどない.もしこの機械についてサイモン=シンが書いたらどんな風になっていただろうかと思う.この機械についてはさらに研究が進んでいるようなので,この古代機械をめぐる第2の解説本が出ることを楽しみにしている.