文体にあこがれる

「この人の文章が好き」というのが見つかるといちばんいいんだけどな.内容ではなく,文体.そして真似る.真似て書いてみる.

もっとも理系の文書の場合は小説と違うので,そこは小説家の文章を真似してもしかたがない.池波正太郎の文体にあこがれて「~だそうな」なんて使ってもしかたがないし(笑).

論旨や筋がぴしっと通っていて,難しい概念もすっきりわかる説明ができている.事実と意見,推測,参照等をきちんと書き分けて,ロジカルな隙もない.文学的な,曖昧な表現は一切使っていないのに,でも何を目指しているのか,何が夢で,何が駆り立てていて,何に情熱を燃やしているかがひしひしとつたわってくる.そんな文章が最高の理系の文章.そういうのを見つけて真似をする.

その意味では,読むことも書くことと同じくらい大事だね.たくさん読むこと.本は読んでますか?(実用書とか娯楽書とかではなく).

私の場合は木下是雄先生のエッセイだった.彼は物理学者だけれども,著作の全集が出ているほどなのだ.